困っていることを、ちゃんと「困っている」と言えるかどうか。
それだけで、チームの未来は変わっていきます。
誰か一人が困っているとき、それはすでにその人だけの問題ではなく、チーム全体に関わる問題の予兆です。
しかし、そこに声が上がらない。共有されない。伝わらない。
その沈黙は、チームを一番困らせてしまいます。
「どうした?」と聞ける空気と、「実はさ」と言える勇気。
どちらも揃って、初めて気づき合えるチームになります。
気づくことも、気づいてもらうことも、両方が必要。
そのどちらかが欠けてしまえば、関係は徐々にずれていきます。
特に、察してほしいという沈黙は、サッカーとの相性が最悪です。
察してもらえるのが当たり前になった瞬間、コミュニケーションは機能を失います。
遠慮のつもりが、信頼を遠ざけてしまうこともあるのです。
試合に勝ちたい。うまくなりたい。
目的はチームとして同じはずなのに、いざ困っている場面では言葉を飲み込んでしまう。
本来、チームはそういうときこそ機能すべきものです。
本気で向き合っていれば、迷いも出るし、うまくいかないことも出てきます。
だからこそ、「今のままだと難しいかも」と発信することに、勇気が必要になる。
チームである以上、誰かが困っていることに、みんなで向き合えばいい。
そのことを、私たちはもっと当たり前にしていきたいのです。
「気づけよ」ではなく、「伝えよう」。
「迷惑かな」ではなく、「頼ってみよう」。
それがチームにとって、強さにつながります。
黙ることを習慣にしてしまえば、誰も本音を出さなくなる。
そんな空気を変えるのは、最初のひと声です。
「どうした?」と聞ける空気と、「実はさ」と言える勇気。
そこから、チームはまた動き出すはずです。