サッカーと人間教育
大学時代の同級生に、関東の名門高校で全国優勝を経験した選手がいました。その選手が言うには、とある名監督の名前を出して「うちの高校、実は指導は有名な〇〇監督ではなくて、その下のコーチがやっているんや。〇〇監督の練習は3対2とセンタリングシュートだけ。サッカーの指導は大したことないんや」と。
時代の流れとともに、その考えが選手たちの間にも芽生えてきて、その監督は部長になり、サッカーの指導をメインにしていたコーチが監督になったそうです。で、どうなったか。そのチームは全国で勝てなくなってしまいました。
その話を聞いて、なるほどなと思ったことがあります。サッカーの知識があるのは前提だけど、それだけでは絶対にダメ。集団を目的に導く、人心掌握術も絶対に必要なんだと。その名門校はサッカーの知識はコーチが、人心掌握は監督がしていて、そのバランスがとれていたからこそ強豪になり、全国優勝ができたのだと思います。選手に言うことを聞かせて、同じ方向に走らせられる人がいたからこそ、コーチのサッカー始動が選手たちに浸透していったんです。