オフは、ただの休みじゃない 〜未来の前借りをしていないか〜

カテゴリ :
マツゾノ日記
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投稿者 :
松薗 智也

夏合宿の後、2週間ほどのオフ期間を設けています。

この時間は、ただの休みではありません。

むしろ次の本気の準備として、質を高めるための時間です。

試合や練習をやり込めばうまくなる、そう信じたくなる気持ちもわかります。

でも実際には、集中力が切れたまま繰り返される活動は、強度の低いプレーを習慣化し、怪我のリスクも高めてしまう。

「やり込むことで、未来の前借りをしていないか?」
という視点は忘れたくありません。

パフォーマンスの向上に必要なのは、ただの量ではなく、集中力が宿る質の高い時間であることは明白です。

この集中力という資源は、無限ではありません。

脳の疲労=戦術的疲労は、意識しにくいぶん、回復を軽視されがちです。

そのうち、「やっているのに伸びない」という沼にハマる。

それこそが、未来の前借りです。

未来を削ってまで、今にしがみついていないか。

疲労の上に積まれた努力は、土台が崩れやすい。

だから今は、前に進むための一歩手前として、正しい休養をとることが重要なのです。

休養には、心理的なリカバリーも欠かせません。

普段とは違う運動や遊びを取り入れたり、

気分転換になるような生活リズムを試してみたり。

「またやりたい」「頑張りたい」と自然に思えるような状態を整える。

その心の動きこそ、次のシーズンを支える燃料になります。
サッカーしか知らぬ者はサッカーすら知り得ない、とはよく言ったものですね。

もうひとつの視点として、年間サイクルの設計があります。

1週間単位で水平的バリエーションを考慮するように、年間単位でも、プレシーズンとインシーズンを区切る設計が求められます。
特に現行の試合カレンダーに合わせた中で、いつ緩めるかの見極めが必要です。
かつては「オフがないのは試合カレンダーの問題」とよく言われましたが、サマーブレイク期間などをうまく組み込んで
「いつ、どのタイミングで選手をしっかり休ませるのか」が鍵になっています。
もちろん選手とチームのパフォーマンスの向上が目的であり、合理的に回すことが本質ではありません。

でも合理性を把握していなければ、どこを非合理にしているかさえ自覚できない。

それでは、意味のある積み重ねができません。

明日から活動が再開します。
非日常から日常へ。

リフレッシュした選手たちとまた顔を合わせられることを、心から楽しみにしています。

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