毎日、感謝する
「自分の中に足りないと感じてることがあって、そこを何かで埋めようとするんやのうて、自分は充分に満たされている、自分は幸せやから、他人の中に足りないもんを見つけ、そこに愛を注いでやる。この状態になってこそ、自分が欲しいと思てた、お金や名声、それらのすべてが自然な形で手に入るんや。だってそやろ、自分らは、お金も、名声も、地位も、名誉も、自分で手に入れる思てるかも分からんけど、ちゃうで。むしろ逆やで。お金は他人がお前にくれるもんやろ。名声は、他人がお前を認めたからくれるもんやろ。全部、他人がお前に与えてくれるもんなんや」
蛇口ひねったら当たり前のように水が出て、
ボタン押すだけで当たり前のように部屋が明るくなって、
どれだけ離れとっても、電話ひとつで当たり前のように話ができる、
そんな世の中は自分らにとって当たり前やろうけど、でもな、そんな当たり前手に入れるために、エジソンもカーネギーもフォードもベルもシャネルも幸ちゃんも宗ちゃんも、昔の人ら、みんな頑張ってきたんやで。
今自分が座ってる椅子も、目の前にある机も、手にしてる紙も、天井にある電球も、当たり前のようにそこにあるけど、全部自分を幸せにするために存在してくれとるんやで。
身の回りにあるモノ、ともだちや、恋人、親、日々出会う人、動物、空気や水、緑、それもこれも全部、自分が生きるために存在してくれるもんや。当たり前のようにそこにあるけど、ほんまは有難いものなんや。
朝起きた時でも、寝る前でも、いつでもええ。
親にでも、ともだちにでも、動物や植物にでも、モノにでもええ。
世界をかたちづくっている何にでもええから、感謝するんや。
足りてない自分の心を「ありがとう」て言葉で満たすんや。
ありがとう、ありがとう、みんなのおかげで私は満たされています。幸せです。
そうやって感謝するんやで。
水野 敬也(みずの けいや)/作家。代表作に「夢をかなえるゾウ」シリーズほか