サッカーで首を振る選手がやっていること。
それは、「探している」わけではなく、「確認している」に近いと思っています。
この違いは、大きな差を生みます。
「探す」とは、何もないところから答えを求めること。
「確認する」とは、頭の中にすでに描いたイメージを照らし合わせること。
つまり、事前に描いているかどうか。
首を振る前に、すでに頭の中に何かがあるかどうか。
そこに、プレーの質の違いが表れます。
確認するだけで済む選手は、自分の中に選択肢の仮説を持ってプレーしています。
その仮説を、首を振ることで現実と照らし合わせているだけ。
これは、試合中のスピード感の中で判断の速さやプレーの安定性を生み出す大きな要因です。
だからこそ、身体の向きがプレーの質を決めると言っても過言ではありません。
身体の向きが整っている選手の最初の視野は、的確です。
逆に、身体の向きがずれていれば、見える景色も偏ります。
偏った視野での「最初の判断」は、たいてい生産的ではありません。
確認するには、仮説が要る。
仮説を立てるには、準備が要る。
準備とは、システムの理解、ポジショニングの整理、状況別の定石を身体と頭で覚えていること。
それがあって初めて、「確認する」状態が成立するのです。
首を振るとは、プレーの余白です。
でも、その余白が空白であってはいけません。
その隙間に、事前の仮説が詰まっているからこそ、
「探す」ではなく「確認する」動作に意味が宿ります。
見ることは大事。
でも、見る前に描くことはもっと大事。
プレーの始まりは、目ではなく、頭の中にあるはずです。