探すのではなく確認する 〜首を振るということ〜

カテゴリ :
マツゾノ日記
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投稿者 :
松薗 智也


 
サッカーで首を振る選手がやっていること。

それは、「探している」わけではなく、「確認している」に近いと思っています。
この違いは、大きな差を生みます。

「探す」とは、何もないところから答えを求めること。

「確認する」とは、頭の中にすでに描いたイメージを照らし合わせること。
つまり、事前に描いているかどうか。

首を振る前に、すでに頭の中に何かがあるかどうか。

そこに、プレーの質の違いが表れます。

確認するだけで済む選手は、自分の中に選択肢の仮説を持ってプレーしています。

その仮説を、首を振ることで現実と照らし合わせているだけ。
これは、試合中のスピード感の中で判断の速さやプレーの安定性を生み出す大きな要因です。

だからこそ、身体の向きがプレーの質を決めると言っても過言ではありません。
身体の向きが整っている選手の最初の視野は、的確です。

逆に、身体の向きがずれていれば、見える景色も偏ります。

偏った視野での「最初の判断」は、たいてい生産的ではありません。
 
確認するには、仮説が要る。

仮説を立てるには、準備が要る。
準備とは、システムの理解、ポジショニングの整理、状況別の定石を身体と頭で覚えていること。

それがあって初めて、「確認する」状態が成立するのです。
 
首を振るとは、プレーの余白です。

でも、その余白が空白であってはいけません。

その隙間に、事前の仮説が詰まっているからこそ、
「探す」ではなく「確認する」動作に意味が宿ります。
 
見ることは大事。
でも、見る前に描くことはもっと大事。

プレーの始まりは、目ではなく、頭の中にあるはずです。

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