菊原 志郎 vol.19

カテゴリ :
語録
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投稿者 :
木藤 大輔

選手が変わるのは、ケガをしたときと試合に出られないとき

子どもの頃からサッカーだけをやってきたプロの選手は、十数年間も練習や試合であっという間に1日が終わるという日々を繰り返しています。それば、ケガなどで初めて練習や試合に出られなくなったときに、ふと自分にとってのサッカーの意味合いや将来について思いをめぐらせる。「長くサッカーをやるためには、もっと体をケアしなきゃいけないな」とか、「これからどうやって生きていこうかな」「もうちょっと自分を変えなきゃ」といったふうに。
べつに、その時期ちょっと休んだからって、1年後には全然影響がないんですよ。逆に、そのとき無理をしたら古傷になったり、燃え尽きてしまったりするリスクが高くなる。
だから、「神さまが『今はサッカーを休んで、ほかのことをやってごらん』と言っているんだな」くらいに気持ちを切り替えて、しっかり休んだほうがいいんです。
ケガをしたり試合に出られなくなったりしたときに、いろいろなことを学んで変わる選手がすごく多いんですよ。そのとき流した悔し涙も、人を変える何かのきっかけになるかもしれない。
(中略)
人生は長い。人生の本当の勝負は、人生が終わるまでわからない。重要なのは最期に「ああ、いい人生だったな」って思えるかどうかですよね。それで人生の勝ち負けが決まる。小学生のときの勝ったとか負けたとかは、本当に小さくてどうでもいいことなんです。そんなことよりも、そのときに何を学んで、どう成長したかということのほうが大切です。

菊原 志郎(きくはら しろう)/現役引退後はヴェルディのコーチを経て、U-15、U-16、U-17日本代表、JFAアカデミー福島、横浜F・マリノスジュニアユースでコーチを務め、2011年U-17ワールドカップメキシコ大会では日本代表を18年ぶりのベスト8に導く

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