中野 信子 vol.20

カテゴリ :
語録
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投稿者 :
木藤 大輔

運のいい人はだれかを助けたときこそ「ありがとう」を言う

自分以外のだれかを助けるときに心がけたいのが、「ありがとう」という気持ちをもつことです。
「ありがとうと言うのは助けられる側では?」と思うかもしれませんが、感謝の気持ちをもつべきなのは助ける側なのです。
人間の脳には、前頭前野内側部と呼ばれる部分があり、ここは自分の行動の評価を行っています。(中略)この部分が「よい行動だった」と判断すると、脳内の報酬系が刺激されて「ああ、よいことをして気分がいい」「私ってえらいな、すごいな」と思えるのです。だれかを助けたときには、当然「よい行動」と判断され、気分がよくなるでしょう。
(中略)
だれかを助けたり、だれかのためを思って行動するときに、もうひとつ覚えておきたいのが「互換性の原理」です。
これは、もともと人間にはお互いに報酬を与え合う、お互いに報いるという性質が備わっているので、人はだれかから報酬を与えられると「お返しをしたくなる」というもの。

(中略)
助けた相手からのお礼は快く受け取りましょう。「借り」を相手につくらせたままお礼を返せないと、その相手はずっと、「借り」を抱えた不快な状態でいることになり、しまいにはあなたを重たい存在と感じるようになってしまいます。お礼を受け取ることで、相手の気持ちを軽くしてあげるのも、とても大切なことなのです。

中野 信子(なかの のぶこ)/科学者、医学博士、認知科学者

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