三木 雄信 vol.4

カテゴリ :
語録
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投稿者 :
木藤 大輔

なぜ留学しても英語を話せないのか

私はTORAIZを始める以前、ある英会話学校を買収したことがあります。英語教授法を習得したレベルの高い有資格者を講師に揃えていたので、これなら日本人も英語をマスターできるだろうと考えたからです。
ところが、私が外国人講師に「どれくらい通えば生徒さんは英語を話せるようになりますか?」と質問したところ、「話せるようにはなりませんよ」と衝撃の答えが返ってきたのです。
理由を尋ねると「日本人は何の目的もなく、ただ週に一度レッスンを受けるだけ。それでは英語が身につくはずはない」とのことでした。
講師の多くは他のアジア諸国でも指導経験があったので、日本以外ではどうだったかを聞いてみました。例えば子ども向けのレッスンの場合、中国や韓国では「小学4年生までに英会話を習得する」「中学入試から2年間で英語を話せるようにする」といったゴールを設定し、毎日通うケースがほとんどだそうです。
これらの国は日本以上に学歴による格差が激しいので、親は子どもの受験が近づいたら勉強に専念させたい。ただし、将来いい仕事に就くには英語力が必須なので、受験勉強が始まるまでに会話に困らない程度にしておく必要がある。
そこで明確なゴールを設定し、限られた期限内で英語をマスターするために、子どもを毎日レッスンに通わせるのです。本人も「受験勉強が本格的に始まるまでに話せるようになろう」と思ってレッスンに集中するので、着実に英語をマスターできます。
子どもの例を挙げましたが、他の国では大人の場合も「いつまでに○○がしたいから、毎日通う」とそれぞれに学習計画を作った上でレッスンに通うのが当たり前とのことでした。

ゴールが明確か、曖昧か。
その違いでこれほど決定的な差が生じる
のです。

三木 雄信(みき たけのぶ)/トライオン(株)代表取締役社長。英会話は大の苦手だったが、ソフトバンク入社後に猛勉強。仕事に必要な英語だけを集中的に学習する独自のやり方で、「通訳なしで交渉ができるレベル」の英語をわずか1年でマスター

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