「塾に入って、逆に家で勉強しなくなったんですよね」
かつて、あるOB選手の何気ない言葉に、ハッとさせられました。
私は、学習面で感じていた違和感の正体に気づいた気がしました。
「他人事のように勉強している」
せっかく塾に通っていても、
せっかく良い教材を持っていても、
“勉強が自分事になっていない”限り、習慣にはならない。
雷に打たれたような、そんな感覚でした。
サッカーと勉強を両立するという言葉はよく聞きます。
でも、それは
「今日はサッカーの日」「今日は勉強の日」
と予定を分けることではないと思います。
サッカーと勉強を両立するというのは、
“どちらもやる日”を当たり前にすること。
つまり習慣です。
どちらも一日で一気に成果が出るものではありません。
コツコツと、地味な積み重ねが必要です。
その意味で、サッカーも勉強も本質的にはとてもよく似ています。
そもそも、サッカーというスポーツには
「やりたいこと」と「やるべきこと」を同時に実行する力が求められます。
味方にパスを出したいけど、相手を引きつけなければいけない。
ドリブルで仕掛けたいけど、時間を作らなければいけない。
“感情”と“判断”の両立。
これは、学習の姿勢にもつながっていく力です。
やりたいこと=サッカーがすでに見つかっている、
というのは本当に素敵なことです。
その情熱があるからこそ、やるべきこと=勉強にも向き合える。
それが「両立のスタート地点」になってもいいと、私は考えています。
アンビシオンで取り組む大志塾は、単なる勉強会ではありません。
サッカー選手として、ひとりの人間として、
「習慣」と「選択力」を身につけていく場です。
時間の使い方を自分で決める。
わからないことに向き合う勇気を持つ。
今日の自分を、少しだけ上回るための工夫をする。
それらを、“サッカー選手の生活”の中で身につけていく。
それが、大志塾の目指すかたちです。
勉強が“自分事”になったとき、習慣は静かに育ち始めます。
そして、“終わらせるための勉強”が、“進むための勉強”へと変わっていきます。
「勉強の仕方」は、誰かに教わることができます。
でも、「勉強を続ける力」は、自分でつかむしかない。
それはきっと、サッカーで得た感覚と地続きにあるはずです。
サッカーを好きになったその力を、学びにもつなげていけるように。
これからも、サッカーと勉強を“両立する”チームでありたいと願っています。