うまくなるまでやると「やらされ感」がなくなる
最初は「なんでこんなことをやるんだろう」って不満を感じることもありました。完全に「やらされている」状態です。
でも、やる以上は何でも人よりうまくなりたいと思っていたから、自分で一生懸命工夫するんです。やっていくうちに人よりうまくなると、達成感や優越感などをかんじて、「もっとうまくなりたい、もっとやりたい」という気持ちがわいてきて、さらに工夫して練習する。その繰り返しでした。
(中略)
父には、勉強もやらされましたよ。父は文武両道という言葉が好きでした。「日本は学歴社会だからしっかり勉強もしなさい」「先生の話は、一言も聞き漏らすな」という考えの人でした。小学校から帰ってきたら、各科目の授業内容を2分で話させられていました。父に話さなければいけないと思うと、授業を集中して聞くようになり、授業中に要点を2分でまとめる癖がつきました。それで勉強ができるようになりました。
僕は15歳でプロサッカー選手になりましたが、ハードな練習と同時に勉強も大事にしていました。高校3年生のときにはふつうに大学受験もして、中央大学を卒業しています。
菊原 志郎(きくはら しろう)/小学4年から読売クラブ(現・東京ヴェルディ)でプレーし、15歳でプロ契約、16歳で日本サッカーリーグ最年少デビュー。20歳で日本代表に選出